慢性的に寝ても寝ても眠いと感じる女性の原因は「生活習慣」である可能性が高いです。
寝ても寝ても眠い症状の原因は、女性の場合、「ストレス」or「女性ホルモンの乱れ(更年期障害含む)」と言われていますが、根本的な原因は「ストレスを含む生活習慣」にあると考えられます。
周期的な女性ホルモンの乱れ以外の「ストレス」と「更年期障害」の治療方法は、投薬治療もありますが、生活習慣の改善も方法論として存在するからです。
周期的でない慢性的な寝ても寝ても眠い症状の場合は、生活習慣の乱れが原因となっている可能性も十分にあり得るのです。
そこで今回は、寝ても寝ても眠い女性の原因を「生活習慣」に絞り、生活習慣の改善に向けた方法論をご紹介していきます。
この記事がおすすめな人
・慢性的な寝ても眠い症状を解決したい人
・睡眠の質を高める生活習慣を知りたい人
・生活習慣を見直す順番を知りたい人
寝ても寝ても眠い原因となる生活習慣

寝ても寝ても眠い原因を解決するための方法として、様々なサイトを拝見したところ下記のような方法が挙げられています。
順序 | 方法 | 概要 |
---|---|---|
1 | 睡眠リズムを整える | 起床時間を揃える |
2 | 睡眠前の状態を整える | 覚醒状態を引き起こす 行動を取らない |
3 | 食生活を整える | 糖分を多量に摂取しない、 疲労に効果のある栄養を取る |
4 | 軽い運動をする | 汗をかかない程度の 軽い運動を習慣的に行う |
5 | 入浴方法を改善する | 寝る2~3時間前に ぬるま湯につかる |
6 | 睡眠時の状態を改善する | 寝返り、呼吸法などで 睡眠の質をあげる |
7 | ストレスを発散する | 自分に合ったストレス発散 方法を見つけて実践する |
寝ても寝ても眠い症状と言うよりは「睡眠状態を改善する方法」が列挙されているように見受けられます。
睡眠状態において基盤になる「睡眠リズム」が改善方法として挙がっていることから、土台無くして物は作れませんので、改善方法を実施する順番は考慮すべき点であると考えられます。
この点を踏まえて、賛否両論あるかと思いますが、実施難易度も考慮し順序付けをしたのが上記の表になります。
順序1と2以外は好きな順序で行っても問題ないと思っていますが、改善方法における睡眠以外での恩恵や難易度を考慮すると、この順番が妥当であると個人的に考えています。
■以下の参考資料(ベース)
快眠と生活習慣 – e-ヘルスネット(厚生労働省)
夜型生活から脱却する方法 – 睡眠都市伝説を切る(三島和夫)
↑読み物として面白い
睡眠リズムを整える
睡眠リズムを整えることが最も大事なことであり、寝ても寝ても眠い状態を改善するための出発点でもあります。
そのためにするべき事は「毎日の起床時間を揃える」ことです。
人間の睡眠リズムは基本的には24時間より長めにできており、朝の日光を浴びて生成される「セロトニン」は長めにできている睡眠リズムを早める効果があります。
また、摂取したセロトニンは、夜になると「メラトニン」を分泌させる効果があり、入眠作用を促進させて睡眠を促すことができます。
そのため、朝の日光を浴びてセロトニンを生成することは、睡眠リズムを整えることにおいて最重要課題であると言えます。
なお、この睡眠リズムのメカニズムは「朝の日光を浴びた時点で睡眠リズムの起点を作り出し、セロトニンの生成量で睡眠リズムの終点を作り出す」ことを意味しています。
つまり、起床時間のタイミングさえ常に一定であれば、カーテンを閉じた生活をしない限り、睡眠リズムを一定に保つことができると言えるのです。
休日前の夜更かしや休日の寝すぎなどの睡眠リズムを著しく狂わせる行為により、起床時間を早めた「休日明けの月曜日」に多大な影響が及ぶことは、誰しも経験があることだと考えております。
そして、多大な影響による心身への負担が、ストレスや疲労の蓄積を促し、寝ても寝ても眠い症状を引き起こしている可能性は否定できないのではないでしょうか。
さらに、睡眠リズムは上述した内容からも分かるように、「朝の目覚め・寝つきの良さ」に直結していることは説明するまでもありません。
これは睡眠リズムと言うモノの大切を顕著に表している例です。
その結果、睡眠の質をどうこう語る前に、睡眠の基盤とも言える「睡眠リズム」を整えることが、最優先で行うべき対処と言えるのではないでしょうか。
睡眠前の状態を整える
睡眠前の状態を整えることは、睡眠リズムの乱れを防ぎ、睡眠の質を高めることに効果があります。
睡眠前に下記の事を行うことで覚醒(目覚め)状態になってしまうと言われています。
- 汗をかいてしまうほどの運動をする
- スマホ、テレビなどの映像を見る
- タバコを吸う
- 食事をとる
- 強い光を浴びる
上記の行動は、体の各器官を活性化させてしまい「覚醒状態」を引き起こす可能性が高まるため、就寝時間の2~3時間前には止める必要があります。
就寝時間に近づいているにも関わらず覚醒を促すような行動を取ってしまうと、メラトニンの分泌が抑制されてしまい、メラトニンの持つ睡眠促進効果が得られず、途中覚醒・浅い眠りなどの睡眠問題を起こす可能性が高まります。
なお、夜間のブルーライト光により睡眠リズムが狂ってしまうことも、研究結果により報告されています。
日中帯のブルーライトカット眼鏡は意味をなしませんが、夜間帯でのブルーライトカット眼鏡は睡眠リズム改善の効果が期待できます。
食生活を整える
食生活を整えることで、体内のエネルギー効率が高まり、「入眠作用の効果」と「睡眠阻害要因への抵抗力」の上昇が期待できるため、睡眠の質を高めることができます。
具体的な対策として、万人に効果が期待できる方法はありません。
食事の質は、体のコンディションに合わせて柔軟に変えていく必要があるため、一般人にはなかなかハードルが高い要素となっています。
食事の量は、基準となる「カロリー」や「BMI値」の数値が厚生労働省から性別・年代別に発表されているものの、あくまで目安であり、適正値は人それぞれであることも食生活を整える事の難易度を高めています。
なお、食事のタイミングも賛否両論あり、厚生労働省の見解では「朝食を摂る人の方が睡眠の質が上がる傾向にある」と 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針で発表されていますが、スティーブジョブズの経験則によると「空腹時の方が記憶力が高まる」との意見もあります。
以上のことから、食生活を整えることは、専門知識がない限り、個人レベルで実践することは非常に難しいと言えます。
しかし、完ぺきとは言えませんが、個人レベルでも見直せる食生活は存在します。
以下の関連記事に詳細をまとめていますので、お手すきの際にご一読いただき、ご活用いただけますと幸いでございます。
軽い運動をする
習慣的な軽い運動を行うことで、睡眠の維持・寝つき・深い眠りへ良い効果が期待できると言われています。
軽い運動のポイントは以下となります。
- 汗をかかない程度
- 就寝の3時間前くらい
- 体が温かくなる
汗をかかない程度で体が温かくなる運動を行うと、脳の温度を一過性に上げることができるため、睡眠時に脳の温度の低下量が増し、快眠効果が高まることが期待できます。
個人差はありますが、YouTubeやオンラインヨガ、オンラインフィットネスの1~2講義分の運動量が適切だと言われています。
なお、多くのアスリートが積極的に取り入れている「アクティブレスト」と言う休養方法により、睡眠の質が向上したと言う話もあります。
ちなみに、軽い運動とは直接関係はありませんが、「座りすぎによる健康リスク」に関する研究によると、座っている時間の割合が多いほど、活力が無くモチベーションが低い状態にあるとの結果が報告されています。
※座り過ぎに対して参考にした論文では「十分な科学的根拠はない」と明記されているので鵜呑みにしないようにしてください。
現在、スマートウォッチの健康管理機能のひとつに「座りすぎチェック」が導入されていますので、活用することで、ストレスが緩和され、寝ても寝ても眠い症状の改善に効果が期待できるかもしれません。
■参考資料
就労者における座りすぎの健康リスク – 早稲田スポーツ科学学術院 ※1
アクティブレストとは - MELOS
※1 リンク先のPDFをダウンロードする必要あり(リンク先:武蔵野女子大学)
入浴方法を改善する
これも「軽い運動」で挙げた理由と全く同じです。
就寝時間の2~3時間前に、体感でぬるめのお湯に30分ほど半身浴をすることが最も効果的であると言われています。
熱湯でも5分程度の入浴であれば、睡眠の質を高める効果があるそうですが、熱いお湯での入浴は、疲労を溜める原因になりますのでご注意ください。
なお、正しい入浴方法を実践しないと、寝ても寝ても眠い症状を改善するどころか、体に悪影響をおよぼしてしまう危険性があります。
とは言え、熱いお湯での入浴が必ずしも悪いわけではないのも事実です。睡眠障害の程度によっては、熱いお湯に入った方が眠れることも判明しています。
いずれにせよ、ある事に気を付けて行動をするだけで、誰にでも簡単に実践できる方法なので、特殊な訓練はいりません。(‘Д’)
詳細は下記の記事にまとめています。
睡眠時の状態を改善する
意識をもって制御することのできない睡眠時の状態を整えてあげることにより、睡眠の質を高める効果が期待できます。
寝具・サプリメントなどを使用して睡眠の質を高める方法です。サプリメントはあまりお勧めできません。。。
寝具が自分に合っていないと、睡眠中に寝返りをうつことができないため、マットレスと体に面している部分が圧迫され続けて血流不良となり、床ずれを引き起こしたり睡眠で得られる効果が薄れてしまいます。
また、睡眠中の呼吸法に関しても、正しく鼻呼吸を実施しないと、口呼吸では口の中に細菌が溜まりやすくなり、睡眠障害の引き金になるとも言われています。
そのため、「自分に合った寝具選び」や「寝ても眠い症状に合わせて機器を取り揃える」ことが重要になります。
ちなみに、本サイトでは定番の語りとなりますが、人の体の作りは同じであれ、形や骨格は人それぞれであるため、評価の高い寝具が自分に合うかどうかは分かりません。
市場に出回っている商品は、より多くの人に合うように作られた物であり、あなたのために作られたものではありません。
特に、寝具が合わなかった場合、体を逆に痛めてしまう可能性があり、価格も高価な商品が多いため、運が悪いとハイリスクを負うことも想定されます。
そのため、寝具選びは運が悪いと非常に難易度が高くなってしまいますのでご注意ください。
以下、お勧めしている商品は運が悪い場合のリスクを最大限に抑えられる商品を厳選して紹介しておりますのでご安心ください。
ストレスを発散する
1~6までを実践してもなお寝ても寝ても眠い症状が継続して続く場合は、規則正しい生活リズムが原因ではなく、「ストレス」が原因である可能性が高いです。
社会生活・人間関係に順応することができず、劣等感やわだかまりを無意識or意識的に感じてしまっていることが原因で、精神的な負担・疲労を極度に感じてしまい寝ても眠い症状を発症していることが考えられます。
残念ですがストレスの発散には明確な方法はありません。
年代ごとに周りを取り巻く環境・心境が異なるため、ストレスの性質に違いがあり、心の形が人それぞれであるように、ストレスの感じ方・対処方法もまた人それぞれになります。
そのため、ストレスの根本原因の特定は難しく、明確な方法を第三者が提示するのは難しいのです。。
ですが、ストレスを発散する方法は必ずあります。
以下の記事でストレス発散に関する概念や注意点、発散方法の提案を行っておりますので、よろしければご参照ください。
生活習慣で改善できない場合はうつ病の可能性も

寝ても寝ても眠い症状を生活習慣で改善できない場合は、うつ病を患っている可能性や、女性の場合は更年期障害を患っている可能性もあります。
外的要因によるストレスや慢性的な疲労により、心と体がうまくかみ合わず、生活習慣を改善しても効果がなかったり、生活習慣の改善に対する意欲が湧かない状態になってしまう場合があります。
うつ病などの心の病気は、認知されにくい深刻な病気です。
うつ病を発症してしまうと、生活習慣改善に向けていくら頑張っても、寝ても寝ても眠い症状を改善することはできません。
本記事に記載している改善方法に意味を見いだせず、生活習慣の改善に対する意欲が湧かないのであれば問題ありません。
しかし、生活習慣の改善に向けて、何かをやろうとしても気持ちが追いつかない場合は、うつ病の可能性も視野に入れて行動を取っていくようにしてください。
■関連記事
国が定めた「うつ病」の症状と診断基準
一人暮らしが辛い時の本当の解消法
まとめ
生活習慣の改善は、順序良く対処していくことがとても大事です。全ては睡眠リズムを整えて睡眠の質を高めるための方法です。
土台は睡眠リズムにあります。この土台をしっかり立てることがとても難しいです。
何かを解決するには道のりが絶対にあります。
結果を求め、できるところ、簡単なところから始めても結果はでてはくれません。
本質を見極めて理屈を理解して実践していくことこそ、ゴールへの最短の近道です。
いつだって難しい道のりにしかゴールは無かったはずです。
この記事が寝ても寝ても眠いと言うあなたの悩みを解決するきっかけになれれば幸いです。