高反発マットレスの選び方は賛否両論があります。
それは当たり前であって、そもそも紹介されている選び方は一般的な方法論なのであり、高反発マットレスを本当に必要としている人のそれぞれの問題にアプローチした方法論ではないからです。
腰痛と言っても症状や痛み方が人それぞれであるように、高反発マットレスの選び方も軸はあれど具体的な方法は人それぞれなのです。
だからこそ、自分に合った寝具選びは本当に難しいのです。
だったら、睡眠アドバイザー・睡眠コンサルタント・睡眠マスターみたいな謎な肩書の権威者たちより、もっと信頼できる人からの回答が聞きたいですよね。
そこで今回は、厚生労働省のサイトで見つけた快眠に向けたマットレス(寝具)と適度な硬さの選び方についてご紹介していきます。
この記事はこんな人におすすめ
・マットレス選び方を知りたい人
・マットレス選びのポイントを知りたい人
・マットレス選びについて国の意見を聞きたい人
睡眠・眠気のメカニズムは本当の意味で解明されていません。睡眠のサイクルは解明されていも、なぜそうなるのかについては解明がされていないのが事実です。
そのため、厚生労働省やどこぞの権威が言うごもっともな意見が必ずしも正しいとは限りません、本当に正しいのは試して実感したあなたの意見です。
厚生労働省流!寝具の選び方の軸

快眠効果の高いとされる厚生労働流の寝具の選び方の軸は以下の通りです。
- 吸放湿性・保温性
- 枕の高さ
- マットレスの硬さ
- お布団のフィット感
厚生労働省では、「睡眠環境を整える」と言う意味で吸放湿性・保温性が最も重要であるとの見解を示しています。
枕の高さに関しては、マットレスに対して首の角度が5°(頸部のすき間の深さ一般的に1~6cm)になるような高さになるのが良いそうです。
お布団のフィット感に関しては、具体的な数値はありませんが、軽い方が良いと言う見解を示しています。しかし、最近の研究では、精神状態によっては重たい布団が良いとの報告もあります。
そのため、お布団のフィット感に関しては、重さの問題ではなく、お布団による圧迫刺激により心地よさを感じられるかがフィット感の具体的な指標になると考えています。
これら寝具の選び方の軸は、「寝床内気候」と呼ばれる最適な睡眠環境と「自然な寝返り・寝相」を実現するために必要な要素となっています。
寝床内気候
寝床内気候とは文字通り「寝ている箇所の温度・湿度」の事を指します。
睡眠環境では、寝室内の温度・湿度や光・音も対象とされますが、寝床内環境においては、マットレスとお布団が重なった「寝ている箇所」の気候状態として定義されています。
寝床内気候の最適な状態は以下の通りとなります。
温度:33±1℃
湿度:50±5℃
以前ご紹介した「最高級羽毛布団 – wakumo」でご紹介した寝床内気候の数値とは異なりますが、重要なのは「自分にとって最適かどうか」なので、どちらの数値も目安として参考にしてください。
自然な寝返りと寝相
自然な寝返りと寝相は、快眠を得るために重要な事はご存じかと思います。
数多くのマットレスで、体圧分散だ、硬さだ、柔らかさだ言っているのは、全ては自然な寝返りと寝相のためと言っても過言ではありません。
寝返り・寝相は、マットレスによって圧迫された部位の血液循環の不良を防ぎ、体への負担をへらすだけでなく、体の温度調整や寝床内の過剰となった温度や湿度を発散して湿温調整する効果があります。
つまり、快適な睡眠環境を維持する働きがあるのです。
■参考資料
快眠のテクニック – 厚生労働省
【重要】マットレスの硬さの選び方

寝具選びにおいて、吸放湿性・保温性が重要ではありますが、マットレス選びにおいては「硬さ」が最も重要です。
これは厚生労働省の見解とも一致します。
では、マットレスの硬さの選び方で重要なポイントは何か。
自然な立ち姿勢のときの腰部S字カーブのすき間は4-6cmですが、寝た姿勢でいちばん体への負担が少ないのは、すき間が2~3cmのときです。
快眠のためのテクニック – 厚生労働省
ようやく具体的な数値が出てきましたね。ここを言ってくれないマットレス選びの記事が乱立しているように感じます。
上記の厚生労働省の記事から引っ張ってきた画像のテキストと合わせて考察するとこういう結論になると考えられます。
「マットレスの硬さ選び方は、腰部とマットレスの隙間が立ち姿勢のときの腰部のS字カーブの隙間の半分になるような硬さを選ぶ。」
これが厚生労働省流のマットレスの選び方であると解釈しています。
「半分」と言う表現を使ったのは、人の体の形は人それぞれであるため、数値を過信せずに自分の体の「すき間」を計測して具体的な数値を選定してほしいからです。
「体圧分散」と言う一般人にとって不明瞭で分かりにくい尺度がより具体的になったのではないでしょうか。(この指標もまた目安であることにご注意ください。)
その他のマットレスの選び方のポイント

ここからは、一般的に語られているマットレスの選び方をご紹介していきます。
個人的な調査による権威性の高いサイトの意見を参考に、厚生労働省の見解と照らし合わせ見ていきます。
1.体圧分散
いわゆる「マットレスの硬さ」です。
根本的な観点は、厚生労働省の見解とほぼ変わりはなく、参考サイトでは「立ち姿勢を寝た時に保てるようにする」のが基準であると言われています。
多くのマットレスでは、「ウレタン」「ラテックス」と呼ばれる素材を敷き詰めたものや、ポケットコイルと呼ばれる伸縮性のスプリングを詰め込んだものが主流です。
ポケットコイルが多い方が体圧分散に優れると言われていますが、発想の魂胆は「デジカメの画素数」と同じです。
コイルと言う「点」で立体的な体を支えるため、数を細かく増やしていく事で、より「面」な状態を実現することができるため、分散効率が上がると言う発想です。
一理ありますが、そんなことをしなくても配列方法によって「面」に近づけることは可能です。
そんな「面」を実現した立体型マットレスも紹介しておりますので合わせてご参照ください。
っと脱線してしまいましたが、適した体圧分散を判断する基準は「体への負担」「寝返りのしやすさ」であり、厚生労働省の見解とも一致しています。
[余談]
腰痛の方の場合は、足の曲げた状態をキープすることで、腰が浮くのを防ぎ、腰にかかる負担を軽減することが望ましいと言われていますが、体圧分散がきちんとできていれば、足を曲げた状態をキープする必要はありません。
2.底つき感
底つき感とは、寝た時に、体が床による硬い圧力を感じるかの指針となります。
この観点は厚生労働省の見解には存在しません。マットレスの設計による効果を十分に得られるために必要な指針であります。
理学療法士の意見によると、成人男性を支えるのに必要な厚さは10㎝以上必要で、低反発マットレスの場合は、反発力が低い為、12㎝以上は必要と言われています。
しかし、床の硬さも併せて「マットレス硬さ」として見ても間違いではないと思います。
マットレスの設計効果を得られようが得られまいが、合わない時は合わないので、底つき感を理由にそのマットレスを否定するのもどうかと思います。(個人的な見解)
3.寝心地
寝て時の快適さや心地の良さを表す指針です。
材質やマットレスなどの反発力にもよりますが、感じ方は人それぞれであるので具体的な指針はありません。たまに、臭いが気になるなどの意見もあります。
厚生労働省では「上向き寝で寝ている時間が長いほど寝心地が良いとされている」との見解を示しています。
腰痛など持病を抱えている方にとっては、上向き寝では痛みを感じる場合もありますので、ここは感じ方は人それぞれで指針はないのが正解な気がします。
理学療法士の意見では、2~3ヶ月は使用してみないと寝心地は判断できないと言われています。
4.ヘタり具合(収納性)
マットレスを使用し続けた時に、厚みが減ったり、マットに寝跡がついたりするかの指針です。
厚みが減ったり寝跡がつくと、体圧分散へ影響を及ぼします。マットレスは高額な商品であるため、長年使い続けられることも重要な基準となってきます。
これは厚生労働省の見解と同じです(画像に書いてました)。硬さの変化に直結するはなしでありますので、睡眠環境の維持として重要な指針であると考えられます。
睡眠時には汗をかいたり、寝返りを頻繁にするため、通気性が良く、耐久性の高いマットレスであるかを確認することをおすすめいたします。
この手の判断は、販売サイトの説明文よりは、口コミでユーザのレビューをしっかりと確認した方が良いと考えています。
■参考資料
腰痛マットレスの評価基準 – 腰痛マットレス対策研究協会
厚生労働省!マットレスの快眠テクニック
意外と実践している人は少ないですが、私も去年の冬から実践して効果のあった方法をご紹介します。
それは、ずばり!
「寝る前に電気カーペットでマットレスを温める」
です!
ベッドフレームをご利用の方は、電気毛布で温めると効果的だと考えています。
特に冬場は、眠くなって寝ようと布団に入った時の冷たさで目が覚めたり、足元が冷たくて寝床内が温まらなかったりして目が覚めてしまうことが良くあると思います。
これは立派な睡眠妨害です!
そのため、寝る前は寝床内気候に適した温度に寝具を温めておくことも、快眠の効果を高めるうえで重要であると主張します。(‘Д’)
マットレス選びを失敗しても諦めないでください

マットレスはあなたのために作られたわけではありません。一般的な調査を元に汎用的に作られたマットレスです。
そのため、そのマットレスが理想のマットレスになれることは、よほど運が良くない限りあり得ません。
マットレスは高価な商品であるため、約3ヶ月の返金保証のついた商品が非常に多いです。
試用期間の間に、理想のマットレスに向けて試行繰り返し、ダメなら次のマットレスへと切り替えることが賢明で効率的な方法であると考えています。
面倒くさいですよね。
ですが、何もしないで結果を得られたことなんてあったでしょうか。
私達が理想を実現するうえで大切な事は、「疑う事」だけじゃなく「やってみる事」もなんです。
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