マインドフルネス瞑想は、「ストレス応答」や「痛み」を改善してくれるため、抑うつ病・過敏性腸症候群などの療法として注目を集めています。
日本でも一部の心療内科で療法として取り上げられており、レクチャーを受けることが可能となっています。実践方法も非常に簡単で覚えやすく誰にでも道具無しで行うことができます。
しかし、マインドフルネス瞑想をした人なら分かりますが、自分だけで行うのは非常に難しいのです、訓練が必要になるレベルです。。。
ですが、その難しさを助けてくれる機能がアップルウォッチに備わっている事を知り、記事にせねばと思い今に至るわけです。
そこで今回は、マインドフルネス瞑想のやり方のみご紹介して、アップルウォッチでの使い方は他のサイトへお任せしようと思います。
マインドフルネス瞑想とは
「マインドフルネス瞑想」と「瞑想」は全く違います。
マインドフルネス瞑想とは、マインドフルネス育む実践として瞑想を応用した「呼吸瞑想」を指します。瞑想は「心」に意識を集中させることに対して、マインドフルネス瞑想は「自然な呼吸の流れ」に意識を集中させるところが大きく違います。
そもそも、マインドフルネスとは、
- 意図的に、今この瞬間に、価値判断することなく注意を向けること
- 今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態でただ観ること
と定義されています。
このマインドフルネスの境地に瞑想の作法を利用して達する事を「マインドフルネス瞑想」と呼んでいます。
なお、マインドフルネス瞑想を療法として使用する場合は、「ストレスや痛みの原因となる場面」をイメージしながら呼吸に意識を向ける必要があります。
日常をイメージするだけだと、気持ちが落ち着くリラックス効果しかありませんのでご注意ください。
■参考資料
日本マインドフルネス学会
瞑想 – wikipedia
マインドフルネス瞑想のやり方

マインドフルネス瞑想のやり方に具体的な実践方法はなく、広義に取れるような方法しか掲載されていません。
基本的には、瞑想のお作法通りに姿勢を正して、集中できる体勢を整えて、自然な呼吸に意識を向けるようにすればOKです。(画像のようなイメージでしょうか)
これだけ見ると簡単ですよね。
しかし、これが簡単な様に見えて非常に難しいのです。なぜなら、あなたは自然な呼吸を意識する「呼吸法」までは考えていないからです。
■参考資料
マインドフルネス瞑想の呼吸法 – あらたまこころのクリニック
マインドフルネス瞑想の呼吸法
マインドフルネス瞑想の呼吸法は、「自然な呼吸に意識を向ける方法」を指します。
この呼吸法には3つのポイントがあるとされています。
イメージの連想
思い出せる範囲でイメージを連想していく必要があります。
ちょっとでも、「何だっけ?」となってしまってはいけません。その思い出す行為が意識を「思い出す」に傾けてしまい、自然な呼吸への意識を妨げます。
また、「何だっけ?」と感じた瞬間に、続きが見たくなる「ツァイガルニク効果」と言う心理が働いてしまうため、その後に思い出すと言う行為を中断する事が難しく、呼吸なんかそっちのけでイメージの連想を完結させようとするため、無駄に時間に終わってしまうケースが多いです。
マインドフルネス瞑想の初期は、どうしてもここで躓く人が多く、思い出すことに必死になって、気づけば呼吸への意識なんて忘れてしまっています。(1敗)
そのため、思い出しやすい「新しい記憶」でイメージを連想してくことが重要となってきます。
客観視
マインドフルネス瞑想の肝の部分です。連想したイメージで感情を変化させることなく俯瞰する必要があります。
人の記憶は整理されていきますので、自身にとって意味のない情報は消去されていきます。つまり、人の記憶は直近の新鮮な記憶でない限り、自分に何かしらの影響を与えるような記憶しか無いと言うことです。
当然、その記憶に対して何かしらの思いや衝撃が存在しているわけです。
その記憶に対して、評価をせず判断することなく連想し続け、呼吸に意識を傾けろ!と言っています。
無理です。1日・2日でどうこうなる事ではありません。
そのため、何度もその記憶と対峙したり、何かしらの訓練が必要になります。
だからこそ、精神疾患など心の病気に効果があるのです。心の病気はその嫌な記憶と向き合い乗り越えていく事しか方法はないのですから。。。、
自然な呼吸の維持
人間の呼吸は簡単に乱れます。ちょっと体に力を入れただけで乱れます。だからこそ、呼吸に力を使わない正しい姿勢として坐禅が取り入れられたのだと推測しています。
また、イメージを連想する時に「思い出す」と言う行為が発生しますが、この思い出すときにも、思い出せない状態が続き、脳を酷使していると簡単に呼吸が乱れます。
さらに、思い出したイメージに恥ずかしい・悲しいなどと言った感情を持ったりしても簡単に呼吸が乱れます。
そのため、上述した2つのポイントが達成できない限り、自然な呼吸の維持ができないことになります。
こう考えると、マインドフルネスと呼吸法に何となく繋がりがあることに気づいていただけるのではないでしょうか。
なぜ、アップルウォッチでマインドフルネス瞑想をするのか
アップルウォッチには、マインドフルネス瞑想の初期で陥ってしまう「イメージの連想に意識を持っていかれる」事を防いでくれる機能があるからです。
アップルウォッチの「マインドフルネスリマインダー」機能なのです。
仕組みは単純です。アップルウォッチを装着している手首を定期的に叩いてくれるのです。この手首の刺激により、余計な意識の集中から解放され、冷静に立ち返ることができます。
また、呼吸の状態も観測ができるため、呼吸の乱れを客観的に判断する事ができます。
マインドフルネス瞑想が本当にできているのかを客観的に測定してくれると言うところが何よりの魅力なのかもしれません。
■参考資料
アップルウォッチ「マインドフルリマインダー」 – apple
【重要】マインドフル瞑想をやってはいけない人
以下の人はマインドフルネス瞑想をやらないことを推奨します。
- 重度の精神疾患を患っている人
- 重度のトラウマを持っている人
薬物療法で精神を安定させているかを基準として考えてください。
薬物療法で精神を安定させている人は、まだ、心の問題を克服する力が回復していない状態であることとが考えられます。
学術論文でも、抑うつ病や非定型うつ病に効果があるとの報告はあっても、不安障害やパニック障害といった病気に対しては、論文の数も少なく、効果がないor副作用の懸念を示している記事も存在します。
マインドフル瞑想は精神力を必要とする療法です。流行や紹介などに乗せられて、闇雲に実践しないようにご注意ください。
■参考資料
不安障害に対するマインドフルネスベースの介入 – MDPI
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