寝ても寝ても眠いから始まる様々な睡眠問題の原因は「疲労の蓄積」である可能性が極めて高いと考えられます。
その疲労に関するメカニズムが科学的に立証されてから、多くの「疲労回復」に関する基礎知識が誤解であったことが明らかになっています。
我々を悪い方向へ蝕む連鎖は「疲労の蓄積」から始まります。肌・心・体の悩みを増幅させている諸悪の原因と考えて差し支えないと考えております。
科学の進歩により生まれた解答が必ずしも正しいとは言えませんが、悩みを解決する新しい糸口としては十分な根拠を持つはずです。
試してみる、知っておく価値はあると考えています。
そこで今回は、疲労回復にまつわる栄養素ならびに基礎知識の新事実をご紹介していきます。
この記事は以下の人におすすめ
・疲労回復に関する最新の栄養素。基礎知識を知りたい人
・疲労に対する悩みを持っている人
・最近疲れを感じることが多い人
疲労回復に関する新しい栄養素

疲労回復に効果のある栄養素は「抗酸化作用」を有する栄養素であると言われています。
抗酸化作用を持つ栄養素については、以下の関連記事をご参照ください。
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寝ても眠い時に摂取したい栄養素たち
本記事では、最近になって話題に挙がった栄養素に焦点を絞ってご紹介していきます。
その1:イミダペプチド
疲労のメカニズムが解明された後に、「血中にいきわたり持続性の高い抗酸化作用」を持つ疲労回復における最強の栄養素として話題になりました。
詳細、摂取量、摂取方法は以下の記事でまとめていますのでご参照ください。
■関連記事
疲労回復できるお肉料理で眠い日々を解消!
その2:鉄分
鉄分には、疲労を回復する抗酸化作用はありませんが、体内で抗酸化物質を生み出すのに必要なエネルギー源である「酸素」の運搬と言う重要な役割があります。
そのため、鉄分が不足すれば、体は何一つ体を働かせることができず、貧血などと言った症状で体にSOSのシグナルを送るわけです。
この体にとって重要な鉄分の「阻害要因」は、日常で口にしている大半の飲料に含まれており、大人になって過剰に摂取してしまいがちなコーヒーにも含まれています。
そして、その事実に気づかれた方の「コーヒーの飲み過ぎで、知らない間に鉄分の吸収を阻害して、体の働きを著しく低下させてしまっているから、疲労を生みやすい・溜めやすい状態になっているのではないか!」と言うツイートが話題になりました。
これは紛れもない事実で、厚生労働省の「快眠」の記事でも指摘されています。(‘Д’)
ちなみに、鉄分の阻害要因となる代表的なものが、カフェインとタンニンの入った飲み物で、緑茶・ワインをはじめ多くの飲料に含まれています。
とは言え、過剰に摂取を行わなければ、鉄分吸収の阻害による影響を受ける可能性は少ないとされていますので、多少の摂取であれば問題ないと考えられます。
その他、鉄分を阻害する要因はたくさんありますので、下記のサイトをご参照ください。
■参考資料
鉄分を阻害するものとは
疲労に関する間違っていた基礎知識

疲労回復に関する間違った基礎知識に関しては、本章の末尾にリンクしてある「東京疲労・睡眠クリニック」のサイトに掲載されているものをいくつかピックアップしてご紹介いたします。
個人的に知っておいた方が良いと考えたものを抜粋しているため、全てを知りたい方は「■参考リンク」をご参照ください。
その1:タウリン○○mgの栄養ドリンクは効果なし
栄養ドリンクに対して、疲労回復効果が人に対して実証された商品は一つもなく、疲労が回復する可能性は極めて低いです。
栄養ドリンクで感じる高揚感・覚醒状態は、カフェインや微量に含まれるアルコールが原因であり、疲労をごまかしているだけと言われています。
気になって、J-STAGEなどの論文を漁ってみましたが、確かに、立証されている記事は見つからず、マウス実験での効果の実証のみであったように見受けられました。
また、2021年9月にJ-STAGEに挙がった論文も表紙ページしか閲覧できず。。。(私の見方が間違っている可能性があります。)
なお、数年前から「〇〇〇〇〇D」のCMを見かけなくなったのも、この事実の信憑性に拍車をかけているようにも感じます。
ちなみに、ここで薄っすらと紹介した商品に限らず、エナジードリンクは全般的に直接効果があるものはほとんどなく、脳を刺激してごまかして効果を得たような感覚にさせるものばかりです。
疲れているのに無理やり頑張ろうとすること自体が、本来、体にとって良い事ではないので、そう言った環境を作らないように注意することが一番大切です。
■参考資料
運動後の疲労回復に対するタウリンの摂取効果 – J-STAGE
その2:ウナギは疲労回復に効果なし
これ意外と知らない人が多いと思います、事実を知ってがっかりましました。
東京睡眠・疲労クリニックの院長によると、「現代において疲労回復がみとめられているものはほぼありません」とのことです。
戦前頃では、食糧不足から来るエネルギー不足による疲労が問題視されていたこと、うなぎから摂取できる栄養素がたまたま病気の予防につながったことから、「精のつく食べ物」→「疲労回復の食べ物」と口伝されていったことが原因ではと示唆されています。
むしろ、胃に負担がかかり過ぎて逆に疲れてしまう可能性があるとのことです。
ちなみに、「土用丑の日」にウナギを食べる文化が生まれたのは「平賀源内」のマーケティングであると言われています。
ウナギは脂っこく重たい事が原因で、夏の蒸し暑い日にはなかなか食べてもらえなかったため、夏にウナギを食べてもらうためにはどうしたらよいか。
この問題の解決策として、「土用丑の日」と言う日を生み出してウナギを食べてもらおうとしたことがきっかけであると一説では言われています。
つまり、根拠のないただの売り文句だったのですね。。。これを見てさらにがっかりしました。。。
■参考資料
土用の丑の日 – Wikipedia
その3:サングラスは全身の疲れを軽減する
サングラスにより「目に入る紫外線」を遮断することで「疲労の発生」を抑止することができると言われています。
紫外線は、目の角膜まで入り込み「大量の活性酸素」を発生させ「炎症反応」を引き起します。この炎症反応を受け、体が防御態勢を取り自律神経を活発化させます。
そして、紫外線と自律神経の働きの双方から、大量の活性酸素が発生して、疲労を過剰に引き起こしてしまいます。
そのため、サングラスをすることにより、上述した疲労の根源である「紫外線の角膜親友による活性酸素の発生」を防ぐことができ、日常の疲労を軽減することができるそうです。
あっ。。。。タモさん。。。。もしやっ。。。。(‘Д’) <スゲェー
その4:マイナスイオンって・・・
マイナスイオンは科学的な根拠が何一つありません。マイナスイオンと言う言葉は世界中で使用されておらず存在自体も曖昧です。
また、マイナスイオンの一般的なイメージが持つ「癒し効果」は、自然界のカオス的なゆらぎを表しており、マイナスイオンとは別軸で科学的な実証が行われています。
厚生労働省では、自然の癒し効果は「マイナスイオン」なんかではなく、森林の「ゆらぎ」によるものとして科学的な研究を行っているそうです。
この話を読んだ時に自分の稚拙さを呪ったと同時に、恥ずかしくなりました。
「存在自体が曖昧」
おっしゃる通りです。。。幽霊は信じないのにマイナスイオンは信じる。。。(確証バイアスびんびんですね!)
マイナスイオンもここ数年CMでも耳にしなくなりましたね。。。(マイナスイオン発生装置とかありましたよね?笑)
■参考資料
疲労にまつわる12の真実 – 東京疲労・睡眠クリニック
【注意】抗酸化サプリメントは危険です
疲労回復に効果のある栄養素は、サプリメントでも補うことができます。どのサプリメントも大半は「抗酸化作用」による疲労回復効果を表記しております。
しかし、この「抗酸化作用」に関連する栄養素を補うサプリメントを摂取することは危険であると厚生労働省から報告が上がっています。
主な原因として、抗酸化サプリメントは食物から摂取できる栄養素の化学成分が異なっていること、知らない間に高用量の摂取を行ってしまった場合による悪影響が大きいこと、が挙げられています。
詳しくはリンクから参照してください。
いずれにせよ、食物からの摂取による危険性は過剰摂取を行わない限りありませんので、食物から摂取するようにしていれば問題は皆無です。
社会人生活で乱れた生活も疲労の原因に

上述した事実を知って疲労に関する知識を見直したところで何も解決はしません。。。これらの事実を基に無駄なモノにお金をかけて欲しくないために記事を起こしました。
一番大事なことは、生活リズムを整えて、生体リズムを一定の流れで維持し続けることです。
この世に溢れる商品・サプリ・飲料は、全て生活のリズムを整えるための補助効果を期待したモノであり、乱れたままで良くするためのモノでは決してありません。
生活リズムを整えると言う難しい作業の大切さを実感したり、作業を継続するためのパワーを養うモノであるとお考えください。
健康志向なんて言いながら、自然食でなく、健康飲料・食料と言ったモノを摂取しなければならないって矛盾しませんか?
そもそも健康って、一般的な生活サイクルで健康的な状態を維持してこそ健康ではありませんか?
健康○○を飲む・食べるしないと健康になれないって。。。健康なんですかね?
だからこそ、生活習慣を改善していく事を強くお勧めするわけです。難しいですが、本当の意味での健康を手に入れるためには、この方法しかないと考えています。
疲労の問題はできることから実施していきましょう
とは言え、簡単に疲労の問題を改善できるのであれば、社会問題になっていないし、私もうつ病の再発で苦しんではおりません!(‘Д’)
そのため、私はできることから実践していきました。はじめは心理的に苦痛ですが、徐々に慣れれば心理的苦痛から解放されて、次のステップへ進むことができました。
そして、ステップを進めて行けば行くほど、お日様の光で気持ちが晴れやかになって意欲的な活動意思が芽生えるようになりました。(それなりに時間はかかりました。2年くらい。。。)
若輩者ではございますが、まずは、簡単な事から一つずつ生活習慣を見直すことからはじめることを強くおすすめいたします。