頭の体操クイズ – File.038
タイトル:魅了するミスリード
難易度 :中級
タイプ :注意力
所要時間:10分
出題元 :意味が分かると怖い話
問題

[問題]
友人と2人で廃墟へ肝試しに行くことになった。
建物の2階へ上がっていくと、ある扉に「わたしは このさきの へやにいるよ」と書かれていた。怖くなったけど、その指示に従い、先へ進み部屋へと入っていった。
その部屋は両側に扉がある構造となっており、正面の壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。これを見た友人は半狂乱となり逃げ出して言った。でも、わたしは恐怖を抑え込みながら、直観的な判断で右の部屋の扉を開けて進んでいった。
その部屋は廃墟とは思えないほど綺麗な正面に窓のある部屋だった。部屋を入って左の壁だけに汚れらしきものがあるのを見つけて近づいていくと文字が書かれてあった。
「わたしの からだは したに あるよ」
そして、下を見ると、
「ひだりの へやから わたしの あたまが きているよ うしろを みないでね」
私は急いでこの部屋の窓から飛び降りて逃げ出した。
私は、なぜ、逃げ出してしまったのだろうか。
[補足]
・心理的な恐怖に耐えかねて逃げたわけじゃない。
ヒント
文章をよく読んでみると、後ろを振り返ったと言う記述はない。何者かの実態をみて逃げたわけじゃないことが分かる。
心理的な恐怖に耐えかねて逃げたわけじゃない事から、何かを確認して逃げたことになるが、そうなると最後に確認したものが逃げるきっかけとなるのだが、それは一体何なんだろうか。本当にそうなんだろうか。これぞミスリードっ!!
解答
[正解]
最後の「」は壁の文字ではなく、聞こえてきた声であったため、その声に恐怖して逃げ出した。
[補足]
文章内の「」の前後関係を見ると、最後の「」以外では、「書かれてあった」「書いていた」と表記されているため、壁の文字であることが判断できる。
しかし、最後の「」には「書かれてあった」と表記されていないため、最後の「」は、その他の「」とは違う意味で使用されていたと考える事ができる。
このような物語で使用される「」には、本文との区別のほかに、セリフで使われることが一般的であり、最後の「」をセリフにすると逃げた理由が論理的に説明できます。
そのため、最後の「」はセリフであった、つまり、自分以外の何者かの声であったと結論付けるのが論理的であると言えます。
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次の問題は「上級編:可能性を生む曖昧なモノ」です。
スムーズに頭に入っていく言葉って言うモノは、人に対して分かっているような錯覚をさせてしまうことが良くあります。
そんな曖昧な言葉たちに潜む不明瞭さを可能性として仮説を立てることで、見えなかった答えを導いていく内容となっています。
■次の問題
File.039 – 上級編:可能性を生む曖昧なモノ
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